bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  しょっぱいものがたべたいです  


昨日買ってきた梅干は、甘くて酸っぱくてそのうえ妙な後味が口に残ります。ひどい。口が貧しいので大抵のものはハズカシイほど問題なくいただけるのですがこれはひどい。ひどすぎて殺意が(誰にだ)。勿体無いけど捨てますよ。無理。
これ塩分11パーセントと表示されていたのです。流行の減塩タイプじゃないのです。それなのにこの甘さて。よっぽど甘さの素が入ってるのでしょうね。
近頃梅干を買うときには必ず塩分の表示を見て選びます。塩分を控えたものを探しているのではありません。逆です。世の中の流れに逆行してますが、しょっぱいものが食べたいのです。むかし実家で漬けていたような塩がじゃりじゃりするほどの梅干が食べたいのです。今思えばあれは保存の為だったのでしょう。物の乏しい時代、山間の農村で、何年ももつようにたっぷりの塩で梅干を漬けたのですね。そう考えれば飽食の現代では塩を減らしていくのは当然のこと。それはわかってるけど食べたいのん。弱った腎臓にはナイショで食べたいのん。あの一個あったらご飯が三杯おかわりできるような塩辛い梅干が食べたいのん。そう、同じ流れで消えていった塩ジャケも食べたいなあ。昔の塩ジャケは身から水分が抜け切っていて、油分とかも無くて、焼くと堅かったなあ。そしてこれまた塩がじゃりじゃりしていたなあ。そしてそしてこれまた一切れでご飯が三杯おかわりできたものだったことよ(塩分が多すぎて脳の水分も抜けてきたよ)。今現在、この中年の胃がご飯三杯受け付けるかどうかは別として、酷使された腎臓が耐えられるかどうかは別として、また食べたいものよのうと思うのです。嗚呼もう絶滅してしまった食物たち。それは不健康なノスタルジー。でも永遠に我が心に生きつづけているのです。これぞ心の野生。意味無く感動的にまとめようと努力しましたが、要するに野放しの食欲てことねそゆことね。