2017-04-22 16号 詩 柔らかくなりたい 冬の猫みたいに 選んでここにいる 宝石かモンスターの二択 親しんだ道の悲しい側を歩く 私の顔の悲しい側を撫でる 東京は遠くなったようだ どこにも近づかないが 地図の通りに行けるならいいね 交差する後悔と自戒 次は不安と杜撰の角をまっすぐ 緩いカーブなにも考えない 理性も犠牲も通り過ぎる 先を急がない トラックに抜かれて またトラックに抜かれて 柔らかくなる暇もない 世界中のトラックが連なって この道の悲しい側を走っていく 悲しくない側を歩いたことがあるかい そんなのあったのかな ああ雨になりそうだ 悲しい側のマックに寄ろうかな いっとき柔らかくなりたいな