bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

アイリーン

 

窓を下してお望みの新鮮な空気を

冷たい鼻

きみが笑うと特別な人間になれた

冷たい指

眠りの森まであと100マイル

柔らかい髪

もう帰れないとこまで来たよ

滑らかな頬

そうだね永遠なんてないんだ

きみが教えてくれた

緩く絶望させて高く舞い上がらせて

あの斜めの視線

高く舞い上がらせて緩く絶望させて

一定の理解に至る直前

急転直下のキスマーク

そうだねもう手遅れだ

すべてが眩しい

 

 

 

 

ふるえて待ってる

 

スピードを振り込んでくれ

マッハがいい

行きずりに秘密を分け合って

時間を無駄にして

宇宙のこんな端っこで

日が暮れるの待ってる

ふるえて

 

貫通して壊して踏みにじって

終わりになるなら

思い出とか囁きとかいらない

時間を無駄にして

見たくないもの見ないで

夜が明けるの待ってる

ふるえて

 

 

 

16号

 

 

柔らかくなりたい

冬の猫みたいに

選んでここにいる

宝石かモンスターの二択

親しんだ道の悲しい側を歩く

私の顔の悲しい側を撫でる

東京は遠くなったようだ

どこにも近づかないが

地図の通りに行けるならいいね

交差する後悔と自戒

次は不安と杜撰の角をまっすぐ

緩いカーブなにも考えない

理性も犠牲も通り過ぎる

先を急がない

トラックに抜かれて

またトラックに抜かれて

柔らかくなる暇もない

世界中のトラックが連なって

この道の悲しい側を走っていく

悲しくない側を歩いたことがあるかい

そんなのあったのかな

ああ雨になりそうだ

悲しい側のマックに寄ろうかな

いっとき柔らかくなりたいな

 

 

 

 

 

 

 

コロナ

 

燃える花びら網膜を焼いてしまうよ

何の色だったか教えておくれ

金魚の尾びれ向日葵の花

光をなくした君の傍らで

ぼくは描こうと思う

金魚の尾びれ向日葵の花

何の色だったか教えておくれ

爪で引っ掻いて教えておくれ

ひりひりした色で描こうと思う

突き刺さるように焦がれるままに

瞬きほどのたくさんの夜を費やして

測れない速度で老いていく

燃え尽きる星を味わいたいね

金魚の尾びれそれとも向日葵の花

誰も見た人のいない証拠の色は

金魚の尾びれ向日葵の花

きみは踊る

永遠の暗闇に

きみは知った

永遠の秘密を

灼きついたコロナ抱きしめて

勇気と無謀と冒険の英雄

ぼくに教えておくれ

金魚の尾びれ向日葵の花

 

 

 

パンドラ

 

世界に小さな穴をあける呪文

ぼくら驚きを隠せない

帰り道をなくして

悲しくはないけれど

悲しい振りもできなくはない

祭りに酔いしれて夏が行く

前に進もう

開けちゃいけない箱は

善意で開かれる

流されてここまでめいめいの位置を

誰を許せばいいのか知らされない

昨日の記憶が薄れるように

霧が深くなるままに

手の中で何かが弾けた

胸の底で何かパンクした

悲しくなってみませんか

そしたら泣いてもいいよ

 

 

 

 

 

ポケット

 

夜の深い辺りでゆっくり泳いでいたよ

虹が落ちていたからポケットに入れたよ

ポケットからあったかいな

見せてあげるね今度会ったらね

二人で分けて持っていようね

 

夜の深い辺りはいろいろみつけられる

ここにいるよと光ってたりする

昼間見えないものたちが

LとRの双子とか見分けられたりする感じ

知らない人は知らないまま

 

もうさわれない過去のひかり

抱きしめたら消えてしまった恋の匂い

どこにも売ってない子供のゆめ

最初からなかった睡蓮の眠り

 

夜の深い辺りで泳いでたゆっくりゆっくりゆっくり

異味なんてないさ探さなければね

欲しいかどうかは決めていいんだ

ポケットあったら便利だね

いま食べないで取っておけるね

 

 

 

 

 

 

 

毎日が夏休み

 

こんな夜だから もしかしたら はだしで

足音を波が消していく

溺れたいから溺れた つまりはそういうこと

言葉は風にさらわれ きみは振り向かない

ほんとうのことなんて誰も知りたかないね

取り戻せない時を歩く 前にしか進めない

巻き戻せない時を遊ぶ 足を取られながら

砂まじりの面影 目を閉じても消せない

約束の大地は ここじゃないみたいだ

きみはもう忘れたかな どうでもいいね

だれか歌っている よくあることだから

すべてがノイズになる もうすべてノイズだ

毎日が夏休み 宿題は忘れて

溺れたいから溺れた つまりはそういうこと