bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  シリウス・ファイル / ジョン・クリード  

シリウス・ファイル (新潮文庫)
英国秘密情報部MRUのジャック・ヴァレンタインに奇妙な任務が下された。70年代初頭、北アイルランドに潜入した工作員の死体を捜し、所持品を持ち帰れと言うのだ。
そこに現れたのは昔馴染みのIRAの闘士メロウズ。二人にはそれぞれの立場を超えた信頼関係があるのだ。旧交を温める二人だったが、謎の男達が忍び寄っていた。間一髪のところで逃げ出した彼等は、ジョンの改造トロール船で大海に出るのだったが・・・・・。
久方ぶりに読んだ冒険小説は、思った以上に正統派で、しかも思った以上に面白かった。共感できるちょっと頼り無い主人公、一癖も二癖もあるサブキャラ達、謎めいた黒幕、秘密の任務、銃撃戦、信念、友情と信頼、そして美女。当然最後にはドンパチやった挙句に謎が解けて真実が明らかにされるわけだが、それまでの経緯が山に海にと息をもつかせぬ大冒険の連続なのだ。これぞ冒険小説でしょう。今、コレ読まないで何を読む。コレを読め。冒険小説ファンよ、コレを読め。あわわわ言い過ぎた。読んでくださいお願いします(何故だか急に弱気)。クラシックとも言える筋立てだけれど、ひねり過ぎてなくて面白いのです。400ページ弱の中に充実した物語が展開しているのです。正統派すぎると言えるかも。もっとぐちゃぐちゃしたのがお好み?はん。たまにはこんなのもイイですって!!
んと、主人公はスパイだけど微妙だわ。うん。メロウズをはじめ濃ゆいサブキャラ揃いで陰が薄くなり勝ちですわ。うん。でも何だかイイ奴。愛され型。シリーズ化されてるらしいので、次作も読みますよオレは。絶対。じつはメロウズがお目当てだったりする。IRAの闘士として信念を持って生きている彼ですが、一本筋の通った自由人的なところが魅力なのですよ。こりゃモテるわ。だから女子も読むと良いです。うん。