雲母の光る道 / ウィリアム・エリオット・ヘイゼルグローブ
- 作者: ウィリアム・エリオットヘイゼルグローブ,William Elliott Hazelgrove,原田勝
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 文庫
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離婚し仕事も無くし南部の故郷に帰ってきたチャーリー。人種差別や階級意識が根強くのこるその町では、年老いた祖父が迎えてくれた。表向きチャーリーは「職探しに帰ってきた」と言うが、実は、母親の死の真相について調べたかったのだ。キング牧師と同じ日に死んだ母。しかし祖父は何も語らず、当時を知る判事や記者も意味あり気にはぐらかすばかり。そのうち周りに奇妙な事件が起こり始める。どうやら母の死には思った以上に深い事情があるようだ・・・・・。
チャーリー視点の現在と祖父の記憶の中の過去が交互に出て来ます。夢や希望に溢れた若い男女と、それが徐々に崩壊していく過程、押し殺していたはずの苦い記憶。罪の意識。時代が変わっても変えられないものが有る。良いことも悪い事もなぜか繰り返されていく。人間って変な生き物。そこから脱却するためには大変な決意が必要なのでしょうか。あるいは犠牲が。
重いテーマの割りに、爽やかな読後感でした。