bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  雲母の光る道 / ウィリアム・エリオット・ヘイゼルグローブ  

雲母の光る道 (創元推理文庫)

雲母の光る道 (創元推理文庫)

図書館行ったら延滞が発覚。ええええ〜。返した気になってました。大変。
離婚し仕事も無くし南部の故郷に帰ってきたチャーリー。人種差別や階級意識が根強くのこるその町では、年老いた祖父が迎えてくれた。表向きチャーリーは「職探しに帰ってきた」と言うが、実は、母親の死の真相について調べたかったのだ。キング牧師と同じ日に死んだ母。しかし祖父は何も語らず、当時を知る判事や記者も意味あり気にはぐらかすばかり。そのうち周りに奇妙な事件が起こり始める。どうやら母の死には思った以上に深い事情があるようだ・・・・・。
チャーリー視点の現在と祖父の記憶の中の過去が交互に出て来ます。夢や希望に溢れた若い男女と、それが徐々に崩壊していく過程、押し殺していたはずの苦い記憶。罪の意識。時代が変わっても変えられないものが有る。良いことも悪い事もなぜか繰り返されていく。人間って変な生き物。そこから脱却するためには大変な決意が必要なのでしょうか。あるいは犠牲が。
重いテーマの割りに、爽やかな読後感でした。