bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  エンジェル / フランソワ・オゾン  


公式サイト→ http://angel-movie.jp/


観てきました。


以下、ネタバレ込みでずるずるしゃべります。






美しいけれど意地の悪い映画でしたよ。


夢を追い求めベストセラー作家となり、憧れていたパラダイス屋敷に暮らし、ドラマチックな恋に結婚、全てを手に入れたかのような主人公エンジェル。しかし最後に彼女は「この人生は間違っていたのかしら」ともらす。
かたくなに現実から目を逸らし続けたエンジェル。下調べ無しに小説を量産し、時代遅れの派手なドレス、思えばあの雷雨のプロポーズも、合成バリバリの世界旅行も、彼女の描いたロマンス小説をなぞるようだった。しかし戦争が通り過ぎ夫が自ら命を絶つに至って、現実を見ないでは済まなくなる。現実ってなに?幸せってなに?これほど理想のままに生きてきたのに、本当に望んだ幸福を得ていたのは「あの女性」なのか。 そしてとどめは彼女の死後。あんなにももてはやされた彼女の作品は歴史に埋もれ、(彼女さえ本当には認めていなかった)夫の絵が再評価されるとは、ものすごい皮肉。ぎゃふん。
これは皮肉な映画なのだな…と最後に纏めたいワタシなのですが、正直ノレませんでした。登場人物が極端すぎて。エンジェルを痛快なヒロインと持ち上げたレビューもいくつか読んだのですが、ワタシにはそうは思えない。カリカチュアだとわかっていても、どうも痛々しかったです。こんな人が身近にいたらちょっとしんどい。残念ながらワタシは無粋な凡人ということなのでしょうね。