bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  前線 / パトリシア・コーンウェル  


相変わらずだった。主人公は何も知らされず、周りの思惑で振り回される。なかなか事態が動かないなあ(実際は進んでいるのだが)と読み進めていると、あと何ページ残ってるかなってあたりでバタバタと片が付く。なんだかな。この人の本こそ、もう読むのはよそう。何度もそう思っているのだけれど、読んでしまうんだな。パワーゲームとそこに渦巻く悪意で、気分が悪くなると解かっているのにね。作家と登場人物を同一視するのは愚かな話だが、ミズ・コーンウェルはきっとガラーノでありラモントでもあるのだろう。自分でもそう思っているんじゃないかな。考えてみれば犯罪者と被害者も力関係だし、警察も検察も有権者もそれぞれの力関係からは自由になれないわけで、どうにもうんざりしてしまうのが現実って物なんだけどね。