bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  母のこと。歌。  


中高生のころ、そこそこ大人になってから、母が料理しながら洗い物をしながら、歌を歌っていることに気づいた。
童謡だ。音痴だ。でも歌っている。で、思いついた。私が保育園(幼稚園には行ってないよ)で教わって帰宅し母に歌って聞かせた歌なのだ。私は保育園が大好きだった。歌とお遊戯と園庭の遊具と紙芝居ととおともだち。毎日始業より早く登園した。家に帰るとその日習ったお歌やお遊戯を母に見せた。
私は母に優しくされた記憶がない。怒鳴りつけられたりしばき倒された記憶ばかりだ。
彼女は彼女なりに私を愛していたのだろうと思う。それは私を喜ばせ、かつ混乱させる。