bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  無限の殺意 / アレクサンドラ・マリーニナ  

無限の殺意 (光文社文庫―分析官アナスタシヤ・シリーズ)
恐喝事件がきっかけで、検察局からいくつかの事件ファイルが盗難に遭っていたことが発覚。盗んだのは、先の恐喝事件にも絡んでいるらしい人物だが既に殺されていた。これは口封じのためなのだろうか。捜査が進むにつれ、軍事機密の絡んだ戦慄のプロジェクトが浮かび上がってくる。
モスクワの犯罪捜査官アナスタシヤ・カメンスカヤ・シリーズ第5作。


いつものことながら、ロシア人の名前は覚えにくくて苦労しました(笑)。それでも、幾つものサイドストーリーを絡ませつつ、次第にスピードアップして行くこの作品にどんどん引き込まれて行きました。このひと上手いなあ。ソ連崩壊後の政治的経済的な混乱を引き摺ったままのロシアが、犯罪者にとっては大変に魅力的で警察小説の舞台にピッタリだなんて、無責任な読者としては嬉しいような申し訳ないような気分です。科学だの物理だのに弱いワタシには、この「プロジェクト」がどうも絵空事に思えてしまうのですが、それすらも面白く一気に読めてしまいました。
余談ですが、アナスタシヤの結婚観ってすごーく解る。ワタシも近いものを持ってるようです。