bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  海辺の公園  

バスに乗って、市の端っこに在るという海辺の公園に行こうと思いたったのです。
「ベイパーク行き」のバスに乗りました。大変に空いていて、ワタシ達二人以外には制服を着た高校生が一人だけでした。人気の無い公園なのかしら。それとも知る人ぞ知る隠れた穴場なのかしら。そんなことを思いながらバスに揺られて行きますと、
「終点、ベイパークです。ご乗車有り難う御座いましたー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そこは高層マンションが建ち並ぶ埋立地のの一角でした。既に完成している建物もあり、ちらほらと人間が生活活動をしている気配もうかがえますが、多くは建築中か建設予定地で、祭日のため工事関係者も車両も出入りしていないその様子はゴーストタウン的荒涼感が漂っています。タンブリング・ウィードが転がっていきそうです。見上げるようなマンション群が道路の両側に並び立ち、ひと気の無い光が丘団地(行ったことないけど)を彷彿とさせるシュールさです。正面突き当たりでは今も巨大な建物が建築中で、その微妙にロマンチックな装飾と色から察するに、マンションというよりはリゾートホテルの一種でしょうか。この街は埋め立てによってがんがん領土を広げ日に日に新しく生まれ変わっているのです。10年住んでいても知らない場所があるのです。地図に無い場所があるのです。すごい街ですね。でも、でも、でも、
「海、見えないね」
「公園、無いね」
ベイパークというのは公園でなく住宅地に付けられた名前であったようです。紛らわしいです。騙された?ややや単なる勘違い。しょぼーん。