デッド・エンド / カレン・キエフスキー
デッド・エンド―キャット・コロラド事件簿シリーズ (福武文庫)
- 作者: カレンキエフスキー,Karen Kijewski,柿沼瑛子
- 出版社/メーカー: ベネッセコーポレーション
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
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欠陥商品による事故の隠匿、内部告発、近頃も世間を騒がせている話題です。本書にも出てくるのですが、実に多くの事例があるのですね。それでも表に出てくるのは氷山の一角に過ぎません。まだまだマスコミ(残念ながら私たちが知るのはマスコミ経由でしょう。当事者で無い限り)の掴んでいないものが沢山あるはずなのです。そのひとつを内部告発しようとするのが今回アマンダなわけですが、彼女の「自分は正しい事をしているのだ」という熱意は恐いくらいです。たしかにそうなんだけど、現実は複雑で、時に残酷にさえ思えます。じゃあ一体誰がどうすれば良いのよーって叫びたくなります。そんな作品でした。
さて、今までに無く社会派な今作ですが、以外に身近な感じの仕上がりでした。キャットが事件の渦中に飛び込む形で進行するせいでしょうか。アマンダもその夫も欠陥商品の犠牲者も、嫌がらせ(つか、脅迫)する人間達さえも、それぞれの人生を抱えて生きている事が伝わってきました。この作者うまいですよやっぱ。そうは言ってもキャットはスーパーウーマン化してきてるのが(前作ほどではないですが)ちょっと気になる。次作はどうなのかしらん。て、この先は翻訳されてないみたいなのですが。おーーいベネッセさーん!