bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  コーラス / クリストフ・バラティエ  

観てきました。
1949年フランスの片田舎。孤児や問題児を預かる寄宿学校、その名も「池の底」に一人の音楽教師兼舎監が赴任してくる。彼の名はマチュー。売れない音楽家だった。「池の底」で待ち受けていたのは乱暴な悪ガキ達と「目には目を」方式で厳しく罰する校長。そんな中、子供たちの心の中にある寂しさや虚しさを感じ取ったマチューは、合唱団を作って歌う喜びを教えようと思いつく。始めはふざけていた子供たちもやがて心を開き始め、いつの間にか歌うことに夢中になっていく。中でも頑なに心を閉ざしていたピエール少年は、素晴らしい才能の持ち主だった。しかし・・・・・・・・。

というのがメインストーリーです。ちょっと泣きます。美しいです。そりゃ本国で「アメリ」を抜くでしょう。サントラ売れまくりでしょう。日本で文部科学省推薦を受けるでしょう。良い映画だもん。だってそうだもん。みんな観るといいです。そして荒んだココロを洗われるといいです。
以下、微妙にネタバレを含みます。

この映画の冒頭は、成長し著名な音楽家になったピエールの元に母親の訃報が届き、故郷に帰るシーンから始まります。故郷で待っていたのは、やはり大人になった「池の底」時代の昔馴染み。そこで見せられた恩師マチュー先生の日誌が上記のストーリーとして展開されます。おや、どこかで聞いたような。ちなみに大人になったピエールを演じているのはジャック・ペラン。あちゃー、ニューシネマパラダイスですか。そう思ったのはワタクシだけではないハズ。うん。 そこにちょこっと興を削がれはしましたが、全体的には満足です。
この映画の見所はやはり、音楽で変わっていく人々の姿とピエール少年の天才ぶりでしょうが、ワタクシが一番嬉しかったのは、ペピノくん。彼はクラス一番の年少で、「土曜日に迎えに来る」と言った親を毎週(つか、子供過ぎて曜日が解らないのでしょっちゅう)校門で待ち続けているのです。ほんとは両親とも亡くなっているのですが。映画の終盤、彼を待ち受ける運命、それとも彼が掴み取る運命、「土曜日に」のオチが素敵です。ニヤリとしました。そして泣きました。