bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  ミリオンダラー・ベイビー / クリント・イーストウッド  

コメディーとアクション映画以外は一人で観ると決めている。ロマンス映画や涙溢れる感動のドラマは、側に知人がいるとなんかイヤ。のめり込めなくて損した気分になるからかな。
でもこれは、相方と観たかった。観ればよかった。共有したかった。
以下、ネタバレを含みます。
反転させると読めます。

確かにアカデミー賞を獲るだけのことはある。最高の出来だと思う。
彼女の選ぶ「生き方」がそれである以上、彼のとるべき「生かし方」はそれしかない。
しかし時事問題的に考えると、このタイミングで「よくアカデミー賞獲れたなあ」とも思う。確か近頃そんな裁判があって有罪出たよね(あれ?ちがったっけ)。社会倫理と人間(この場合アカデミー会員)の感情は一致してないということか。
エンディングの余韻もよかった。全てを見守ってきたスクラップの語り。ああ手紙だったのか。
でも日本人の監督なら、もっと日本人的ウェットな感覚で、別のエンディングになったんじゃないかな。そのまま逮捕を待つ。或いは自分も後を追う(注射器2本持っていったような気が。)。監督がイーストウッドで良かったね。陳腐な泣かせる映画にならなかった。やっぱこの人は天才なのかもしれない。幾つだ。どんどん良くなってる気がするんだけど*1
クラシックな映画の(もしくは小説の)匂いがする。その匂い通りの昔であれば、「男の生き様」「男の映画」といわれたであろう時代の匂いが。でも現代だからこそ「人間の生き様」として描く事ができた。家族のあり方の理想と現実。実の家族よりも理解しあえる父と娘。「Mo Cuishle」。有り難う。

*1:すみません。「ミスティック・リバー」まだ観てないのにこんな事言ってます。すみませんすみません。