bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  閉じられた環 / ロバート・ゴダード  

閉じられた環〈上〉 (講談社文庫)

閉じられた環〈上〉 (講談社文庫)

閉じられた環〈下〉 (講談社文庫)

閉じられた環〈下〉 (講談社文庫)

ガイとマックスは詐欺師のコンビ。1931年、アメリカでの仕事がヤバい事になり、二人は危機一髪で故郷イギリス行きの船に乗った。船上で知り合った富豪の娘ダイアナに目をつけ、これはいいカモと一計を案じる。ところが恋の罠を仕掛けたはずのマックスが、何たることか本物の恋に落ち、計画は狂い始めてしまった。
ダイアナの父チャーンウッドは、一人娘とマックスとの結婚には当然のように猛反対。どうやらこの謎めいた富豪、世の裏表共に通じているらしく、ガイとマックスの正体もお見通し。ガイを呼び出して、二人をスパイし、結婚を阻止してくれたら大金を払うと持ちかける。ダイアナとマックスの駆け落ち決行の日、運転手役を引き受けたガイが、落ち合うはずの二人が来ないのを不審に思い探しに行くとそこにはチャーンウッドの死体が。犯人はマックスなのか・・・・・・・・。


ゴダードお得意の謎が謎を呼ぶストーリー。欲望。陰謀。復讐。誰が敵なのか味方なのかどんどん解らなくなっていく。そして読者がガイと共に最後に辿り着くのは、読み始めには思いもよらなかった世界的な陰謀。チャーンウッドの呟きが胸にこだまする。「ああ、戦争か。いつでも、あの戦争だ」