bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  ノー・セカンドチャンス / ハーラン・コーベン  


ノー・セカンドチャンス 上巻 (ランダムハウス講談社文庫)

ノー・セカンドチャンス 上巻 (ランダムハウス講談社文庫)

 


マークは自宅で撃たれ重傷を負った。生死を彷徨い目を覚ました彼は、妻も殺害され、生後六ヶ月の娘は行方不明であることを知らされる。娘を誘拐したという犯人からの連絡で、マーク自ら身代金の受け渡しに向かうが娘は戻らなかった。それから一年半後、再び犯人からの身代金要求が。マークはかつての恋人、元FBIのレイチェルに助けを借りて受け渡し場所に赴くが、またも娘を取り戻す事が出来ない。はたして娘はまだ生きているのか・・・・・・・。



幾つもの謎が絡まりあい、スリル満点の一作。スリルなんて言葉では軽すぎるか、もっとじりじりする焦燥感と心理的な恐怖の混ざったものに急かされながら読了。身内にスパイがいる事が早い段階で明かされているので、誰が味方で誰が敵かわからない・・・・は、だいたい想像通りアノ人でしたー。それより犯人の一人のキャラクターに恐怖を覚えた。「捕まっても、こう言い張れば罪を逃れられる、むしろメディアの力で同情を集め人気者に」とか。近頃実際に次々と起きている事件やその報道から感じているものに近い。一昔前ならフィクションのサイコスリラーとして片付けられたのに。こわい。
それにしても切ないエンディング。あちこち微妙なこの終わり方だけれど、仕方ないか。うーん、それしかないよねえ。