bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  ロング・エンゲージメント / ジャン・ピエール・ジュネ  

映画を観てきましたよ。
第一次大戦の最前線から映画は始まる。雨の降りしきる塹壕の中、五人の処刑兵たちが連行されドイツ軍と対峙する中間地点に放り出される。彼らは戦地から逃れるために、自らの手を傷つけたのがバレて死罪となったのだ。その中には故郷に愛するマチルドを残して出征したマネクも含まれていた。やがて激しい戦闘が再開され降り注ぐ銃弾砲弾機銃弾。そしてマチルドのもとにマネクの死亡通知が届く。しかし彼女は信じない。彼にもしもの事があったならば、きっと自分にわかるはずだから。
悲惨な戦闘シーンとのどかなブルターニュの故郷、そしてパリへと舞台は移り、マチルドは探偵を雇って捜査を始める。最後にマニクを見た人間に会って真実を知るために・・・・・。

アメリ」の主演女優と監督と言うことでその路線を予想していたのですが、裏切られました。良い方に。「アメリ」と共通する匂いはあちこちに感じるのですが、それ以上に、意思に反して戦争に放り込まれた兵士達と、彼らを戦争に取り上げられた人々の物語を克明に描き出した作品になっていたと思います。登場人物が多くちょっと混乱もしましたが、それぞれがそれぞれの事情で生きているのがよく見えます。すごく生きてるんです。某有名ハリウッド女優も脇役*1で出てますが、これがまた良い。自ら志願したそうです。さもありなん(て、こういう使い方でいいんだっけ?)。さすがー。
相当の予算をつぎこんだのでしょうが、その甲斐あってスケールの大きな映画になっています。映像も綺麗。戦場のシーンはかなり残酷だったりしますので、人によってはきついかもしれません。予告編ではわからなかったけれど。
先に書いた「アメリ」と共通する匂いっていうのを具体的に一つ上げると、主人公ですね。ちょっと変わった子。大人なんだけど子供みたいな。周りの言うこと聞かない。希望を捨てない。自分の直感信じてる。悪く言えば身勝手。でも、そんな子でないと奇跡を呼べないのかも。

*1:文字通り「脇」の役!