bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  馬鹿☆テキサス / ベン・レーダー  

馬鹿★テキサス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

馬鹿★テキサス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

お馬鹿な二人組みが鹿牧場の鹿を撃った・・・・と、それは着ぐるみを着た動物学者だった。現場に急行する狩猟監視官マーリン。そこは元大物ロビイストで政界財界に名の知れたスワンクの所有する鹿牧場。ここを中心として、なにやら不穏な空気が漂っている。動物用の薬でヤク中になってる獣医。アントニオ・バンデラスそっくりのコロンビア人。マーリンのガールフレンドの前夫はイカレたストーカーだし、頼りの筈の保安官はとんでもない悪徳保安官。町は鹿狩り解禁直前で浮き足立っている・・・・・・・・・。かくしてこの小さな町にお馬鹿な事件が続発するのであった。さあどうするマーリン。


お馬鹿。出てくる奴出てくる奴みーーなヘンな奴。でもストーリーとしてはよく出来てるよん。「んなアホなー」と思いつつ一気読み。そうなんだよねー。犯罪が失敗するのってちょっとしたミスなんだよねー。お馬鹿な部下を使うと、そのミスの割合がぐーんとアップ。つか、この作品の場合はそんな人間ばっかしだから、ミスに次ぐミスでてんやわんやですよ。半笑いで読むしかないですよ。でも途中でやめられない不思議な一作です。
それにしてもこの作者、自分の作品、『BUCK FEVER』という立派なタイトルで発表し、2003年度のMWA最優秀新人賞候補にまでなった作品が、極東の島国で『馬鹿☆テキサス』なんていうタイトルを付けられてるて、知ってはるんでしょうか。どうなんでしょうか。