bullet proof soul / side-B

じつは防弾仕様になっておりません

  ジェシー・ジェームズの暗殺 / アンドリュー・ドミニク 


公式サイト→ http://wwws.warnerbros.co.jp/assassinationofjessejames/#


だらだらとネタバレます。






伝説の無法者ジェシー・ジェームスと、彼に心酔し一味に加わったロバート(ボブ)の人物像に迫るサスペンス。
物語は荒涼とした平原をバックに、猜疑心に満ちたやりとりが静かに進行する。物静かだがいつキレるかわからないジェシー、酒に溺れるロバートの兄チャーリー、そしてヒーローに認められ受け入れられることを夢見るロバート。彼はどこか成長し切れないまま大人びてしまった風にも見える。懸賞首となった一味は、猜疑心に支配され心安らぐ暇もない。ついにロバートとチャーリーは当局と手を組んでしまうことに。何時の間に非常な憧れが憎悪に変わったのか。なぜあの時、ジェシーは銃を置いて彼らに背を向けたのか。撃ったのは本当にロバートなのか。
幼少時からの憧れの人の手下に納まりながら、結局は英雄を背中から撃った臆病者としか知られていないロバート。後年、恋人に本心を打ち明ける彼。「賞賛されたかったんだ」それだけだろうか。生前のジェシーはこう問うた「俺みたいになりたいのか。それとも俺になりたいのか」
長い映画です。しかもぴりぴりした緊張感が途切れない。とても重い。だから誰にでも薦められる映画ではないと思います。でも映画を観てじっくり感じたり考えたりしたい人にはお勧めの一本です。